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『キャロル』~2015年アメリカ映画

2017-06-11

主人公のキャロルを演じるケイト・ブランシェット。

彼女の姿をスクリーンで見ているだけで体が震えてしまうほどの圧巻の存在感です!

これにはテレーズ(ルーニー・マーラ)が一目で恋に落ちたのも素直に納得できました。

1952年のニューヨーク。

高級百貨店でアルバイトをするテレーズは、娘のクリスマスプレゼントを買いに来た一人の女性に魅せられます。

プレゼントを選び、配送の手続きを済ませたテレーズは、彼女が忘れた手袋を彼女の家へと郵送しました。

その女性、キャロルからお礼の電話をもらい、自宅でのランチに誘われますが・・・。

恋人から結婚を迫られているけれど、それでも充実感が得られずフォトグラファーにあこがれるテレーズ。

愛のない打算的な毎日を過ごし、離婚を決意しているキャロル。

そんな二人が出会い、互いに引かれあっていきます。

自分の意志では何も決められなかったテレーズが、キャロルとの出会いによってどんどん変わっていきます。

テレーズの成長する姿を見ていると、自分の足でしっかり立って生きることがどんなに大切かを痛感します。

一方的に相手にもたれかかるのではなく、それぞれが自立し、愛する誰かと寄り添っていくことが必要なのです。

夫から娘の共同親権を拒否され、一時的にテレーズから遠ざかってカウンセリングを受けるキャロル。

そのキャロルの行為に傷付きながらも懸命に前を向くテレーズ。

彼女たちが最後に選んだ選択肢に胸が熱くなりました。

「心に従って生きなければ、人生は無意味よ」というキャロルのせりふが心に突き刺さります。

これは「自分は偽りの人生を送っていないか?」そう問い掛けられる踏み絵のような作品でもあります。

本作はアカデミー賞5部門にノミネートされましたが、残念ながら受賞はなりませんでした。

だけれど本当に美しく、じんわりと心のひだに迫ってくるので、ぜひ大切な方と見ていただきたい作品です。