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「ぶれない信念」という信念

2017-12-21

会社というのは与えられた仕事を単にこなす場所ではなく、その人の夢や信念を果たす場所なのです――。

ザ・リッツ・カールトン・ホテルの創業に参画したホルスト・シュルツ氏の言葉です。

信念は成功に欠かせない要素だと昔からよくいわれます。

経営者セミナーに参加したS氏もその場で信念の重要性をたたきこまれ帰宅後、すぐ毛筆で「ぶれない信念」と書いて壁に貼り、毎朝毎晩「ぶれない信念」と胸に刻んでいたそうです。

しばらくして同窓会に参加したS氏は、懐かしいクラスメイトたちに「やっぱりね、商売は信念が大事なんだよ」と熱く語っていたところ、その中の一人からこんな質問を受けたそうです。

「ところで、お前の信念って何?」「おっ、いい質問だね」張り切って答えようとしたS氏ですが、なぜか言葉が続きません。

そのとき初めて気が付きました。

肝心の信念が・・・ない!「ぶれない信念」のインパクトが強烈だったのか、「ぶれない信念」という言葉自体が信念になってしまい、肝心要の信念の中身がカラッポだったのです。

こういう人いるいる!と言いたいところですが、実は誰にでもよくあることなのです。

朝礼で「今は大変な時期ですが、この状況から決して逃げ出さず、信念を持って努力を続ければ必ず道は開けると信じています」と社員を鼓舞する社長。

わが社の信念、自分の信念、ちゃんと理解して話しているでしょうか。

その信念を社員と共有できていますか。「よし頑張るぞ!」「何を?」「何だっけ?」みたいなことになっていないでしょうか。

元リコー会長の桜井正光氏もかつて「トップが何事かを決断する場合、情熱と信念を持って自分の考えを説かなければ人はついてこない」とおっしゃいました。

欧州でのビジネス経験が長かった桜井氏は「環境への配慮は企業の競争力強化につながる」との信念を持つようになり、その信念のもとで環境経営を加速したそうです。

「ぶれない信念」が信念になっていないか今一度、自分と向き合ってみたいですね。