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カスケードダウン

2018-03-03

“カスケードダウン”とは、目標管理制度で目標を設定する際、経営戦略に基づいて設定された年度経営目標から、部・課・担当者へと目標を細分化することを指し、「cascade(カスケード:瀧のように落ちる)」の意味から、目標を上から下へ「段階的に順次細分化する」ことを意味します。

非管理者の立場で、「目標達成度で評価されるなら、目標達成基準を低く設定すれば達成し易くなる」という「目標矮小化現象」が起きたことが、多くの企業で一時問題となり、その防止策として、目標を自己の裁量で設定するのではなく、上位目標の細分化により設定する方法がとられています。

◆ “カスケードダウン”の課題解決策

“カスケードダウン”を実施するに伴い、一般に次の課題が生じており、それらの解決策について述べます。

①適切な“カスケードダウン”がなされたことの確認方法。

②“カスケードダウン”を行うことが、“押しつけ目標”となりやすい問題の解決法。

③経営目標の達成基準が「業務の質の改革・改善(例えば、「企画提案レベルの向上」」であった場合、“カスケードダウン”をどのように行ったらよいか。

[課題と解決策]

課題①上位目標から“カスケードダウン”された適正な目標

解決策:適切な目標設定を行うチェックリスト「SMART」を活用し、部・課の目標設定ミーティングにおいて、仲間同士が、相互にチェック、確認し合う。

課題②“カスケードダウン”に伴う“押しつけ目標”の排除

解決策:目標設定ミーティングで、主体的・挑戦的な目標設定を誘導、「チャレンジ度基準」の設定、適用。

課題③「質的改善・改革目標」の“カスケードダウン”方法

解決策:所管部署(部・課)の業務に即して目標を設定、「上位の経営目標・組織目標」を受けて、「所管業務の問題点・課題を発見し、改善・改革する目標」とする(重要度点数化)

質的向上目標の“カスケードダウン”を実施することは、質的目標の定量化・計数化を工夫することに繋がります。