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2018-05-02

バブル経済の崩壊後、我が国の人事賃金制度の基軸は、それまで一般的な職能資格制度から役割等級制度へ大きく方向を変えています。

これを欧米型の職務等級制度と比較して概観してみましょう。

【欧米型の職務等級制度と日本企業の役割等級制度・代表例の比較】

・等級基準

欧米：職務を３つの基本構成要素（知識・経験／課題解決／達成責任）に分けて、その複雑さと重要度を分析、評価・点数化し、その大きさで等級化

日本：職務の「期待役割・期待貢献」の大きさを担当している人が現実に果たしている現在価値（重要度・困難度）で評価、役割等級化

・職務の価値

欧米：個々の職務の価値を点数評価（配置される人に関わりなく決定）

日本：職務の期待役割・期待貢献に対する個々人の実績＝現在価値

・業績評価

欧米：業績管理制度に基づき、職責の達成度で評価

日本：役割に基づく期待貢献の達成度・役割遂行度・成果・能力発揮度）を評価（現在価値の再評価）

・賃金体系

欧米：管理職は基本年俸・業績賞与、一般社員は職群に応じた賃金

日本：管理職・一般社員の職群に応じた役割・貢献給の体系

◆ 経営者・管理者の留意点

日本企業で、「欧米型の論理的で精緻な評価基準で評価した職務別点数評価」の結果を発表・適用すると、一般に社員に否定的反応が生まれます。

これは、「個々の職務別点数評価」は日本的な「人による業務遂行の現在価値の差の評価」と合致せず、納得性に問題が起こることが多いと言えます。

このような点に留意して役割等級制度を活用しましょう。

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