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青は藍より出でて藍より青し
2017-11-03
春秋戦国時代から趣を変え、夏を彩る「藍」にまつわる成語をご紹介します。
「青は藍より出でて藍より青し」は、耳なじみのある言葉かと思います。
弟子が師匠の学識や技量を超えることを例えたものとされ、時に「出藍の誉れ」ともいわれますね。
ところが・・・、まずは原文をご覧ください。
「君子曰く“学はもって巳(や)むべからず。
青はこれを藍より取りて藍よりも青く、氷は水これをなして水よりも寒し“と」(君子の言によれば「学問は途中でやめてはならない。
青は藍草から取るが藍よりも青く、氷は水が作り出したものだが水よりも冷たいではないか」と)。
お気付きでしょうか。
原典では師匠と弟子を比べてうんぬんなどは一切しておらず、ただ学びの重要さを説き、たゆまぬ努力よって藍も青へ、水も氷へステップアップできると述べているのです。
その真意に迫るべく、あらためて歴史と漢籍をひもといてみましょう。
春秋戦国という時代は、呉越の激闘に象徴される乱世でした。
諸侯らは我こそは覇を唱えん!と「智恵」を求め、諸子百家と呼ばれる思想家たちが大活躍。
なかでも国家と組織を統べるための教えを説いたのが儒教の祖・孔子であり、儒家として人を善に導くため、学問と教育が大切だと提唱したのが、上記で引用した『荀子』を著した荀子でした。
「青は~」は『荀子』の冒頭に掲げられたもので、荀子はその段の後半でさらに興味深いことを語ります。
「異民族の子も生まれた時には同じ声で泣くが、成長すると風俗が違ったものになる。これこそが教育によるのだ」と。
皆さまの中には、チームや会社を先導する立場の方も多いのではないでしょうか。
後輩や部下を指導する際に「いつか“出藍の誉れ”になれ」と励ます方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時、自らは学びを諦めてはいないか、また教育は充分か、慣用の向こうにある荀子の思想にも光を当ててみませんか。
群雄割拠の世界で優れたリーダーとなるための英知は、あなたのみならず組織にも新たな力を与えてくれるはずです。