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重言などの言葉の間違いに要注意
2018-03-28
今回はメール作法から少し離れて、新年にちなんだ言葉で間違いやすいものを取り上げてみました。
年賀状の最後に書き添える「元旦」。
「旦」は夜明けや朝を意味するので「元旦の朝」という使い方はしません。
重言になるからです。
「元旦」または「元日の朝」とするのが正しい使い方です。
「元日の夜」とは言いますが「元旦の夜」とは言いません。
意味が矛盾するからです。ちなみに、年賀状に「元旦」という言葉が使えるのは1月1日に書く年賀状だけです。
元来、年賀状は年始のあいさつ代わりとして、年が明けてから書き送くるものでした。
元旦に届く年賀状に「元旦」の文字があるのは、言葉の意味からするとおかしいことになるので注意しましょう。
酒だるのふたを木づちで割る「鏡開き」。
おめでたい席で行われますが、このとき「鏡を割る」ではなく「鏡を抜く」と表現します。
鏡割りとも言いますが「割る」を忌み言葉として「開き」に言い換えているのです。
結婚式などの祝宴でも、忌み言葉とされる「終わり」は使わず「お開き」を使うことが多いです。
お正月の琴の音色を表して「古式豊かに」と言いますが、正しくは「古式ゆかしく」。
「古式」とは「古来のやり方」という意味です。
「古式ゆかしく」は、古来のやり方に懐かしさを感じ、昔をしのぶ様を表しています。
ある時点から今まで、というとき「従来から」「従来より」を使っていませんか?
「従来」という言葉そのものに「以前から今まで」という意味があるので「従来」には「から」「より」を付ける必要はありません。
「以前から」と言い換えることもできます。同様に「から」「より」が不要な言葉に「古来」「かねて」があります。
古来は「古くから」、かねては「以前から」という意味だからです。
最後に、インフルエンザが流行し始める季節ですが、高熱に襲われたら「熱にうなされる」と言っていませんか?
正しい表現は「熱に浮かされる」です。