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「はなむけ」の正しい使い方

2018-06-07

新入社員を迎えるとともに、会社では離職・退職する人も多く見られ、人の入れ替わりが活発になる時期です。

卒業や送別の際に使われる「はなむけ」という言葉。意味を理解して正しく使っていますか?

「はなむけ」とは「馬の鼻向け」の略です。

かつて旅立つ人のために道中の無事を祈り、その人の馬の「鼻」をこれから向かう目的地の方向に「向け」てやる習慣を「鼻向け」といいました。

転じて、送別の際に贈る言葉や金品のことを「はなむけ」といいます。漢字では「鼻向け」「餞」と書きますが、新聞表記では「はなむけ」と平仮名表記で統一されています。

また「はなむけ」を送る人に対してではなく、新たに迎える人に対して使っているケースがあります。

門出を祝う言葉という意味から祝いの席で使う言葉と勘違いし「新入社員へのはなむけの言葉」と使うのは間違いです。

「はなむけ」は旅立つ(別れる)人への言葉であり、新たに人を迎える場合は「新入社員へのあいさつ」「新入社員への言葉」とするのが適切です。

会社では異動する人や離職・退職する人に対して使う言葉が「はなむけ」なので、異動してきた人や新入社員には使わないように注意しましょう。

では、相手の門出や旅立ちに際し、気持ちを言葉にして「おくる」という言葉の使い分けはできていますか?

「おくる」には「贈る」と「送る」の2通りがあり、それぞれに意味が異なります。

「贈る」は、感謝や祝福の気持ちを込めて人に金品などを与えることです。

旅立ちを祝う気持ちを込め、メッセージを相手に伝える場合は「はなむけの言葉を贈る」のように使うほか「創立記念式典で祝辞を贈る」と式典や表彰でも使います。

対して「送る」は、去り行く人に別れを告げるときに用いる言葉です。「卒業生を送る言葉」「退職者を送る言葉」のように使います。

「贈る言葉」が祝辞や賛辞という意味なのに対し「送る言葉」は送辞という意味の違いがあります。

ちなみに、お祝いの電報「祝電」は直接、手渡すわけではないので「送る」を使い「祝電を送る」とします。