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税の無駄遣い580億円

2024-01-07

会計検査院はこのほど、2022年度決算の検査報告を公表しました。指摘した税金の無駄遣いや不適切経理、資金の積み残しは計344件に上り、総額は約580億円となりました。

指摘件数のうち3割が新型コロナ関連事業についてで、緊急対策として予算を積み上げたものの、運用やチェック体制での不備が目立つ結果となりました。

報告によればコロナの感染拡大防止や医療体制の整備に関する交付金で計約5億3千万円が過大に支給されていた事実が確認されました。

また交付金を使って自治体が調達した不織布マスクや消毒液などを巡り、約6億円分が22年度末時点で一度も使われていなかったとのことです。

さらにコロナの影響で生活が苦しくなった大学生の授業料を減免する文部科学省の事業では、国立大学85法人に支給した約48億円のうち、21年度末時点で11億円強しか使われず、未執行率は77%でした。

そのほかコロナ対策として個人事業主に支給された持続化給付金では、納税申告が適切に行われていない実態も判明しています。

抽出調査で受給者8903人について調べたところ、全体の収入額が持続化給付金の給付額を下回っているのが428人(全体の4.8%)で、給付金を収入に計上していないとみられるそうです。

検査院は納税者に適正な申告を促すよう、国税庁に求めています。

法令違反や不適切な予算執行と認定した「不当事項」は計285件、見解や改善を求める「意見表示・処置要求事項」が20件、指摘に基づいて各省庁が対応したものが28件ありました。

省庁別では厚生労働省の154件が最も多く、国土交通省39件、文科省26件と続きました。

<情報提供:エヌピー通信社>