岡山の税理士のウェブログ

非常識から学べ

2018-08-18

観光庁によれば平成29年の訪日客消費額は初の4兆円超えで、過去最高を更新しました。

外国人をターゲットにしたインバウンドビジネスは今後も伸びていくことが予想され、貴社の商売でも外国人と接する機会が今まで以上に増えるかもしれません。

外国人が相手だと真っ先に言葉の壁を心配する人が多いようですが、言葉以上に悩ましいのは常識の違いでしょう。

小売業を営むA氏は身をもってそれを実感したばかりです。

A氏が取引先を招いてホームパーティーを開いたときのこと。

表向きはざっくばらんな懇親会でしたが、実は新規の取引先であるブラジル人のS氏のサプライズパーティーでもありました。

S氏には「午後1時に来てね」と伝えておき、他の人たちは先に集まってS氏を歓迎しようという計画でした。

ところがS氏は30分も遅れて来たのです。しかも悪びれた様子はまったくありません。

A氏は思わず感情的になって、約束に遅れて来たS氏を非常識だと責めました。

しかしS氏は相手が何に腹を立てているのかまったく理解できず、しばらく面食らっていたそうです。

ブラジルでは、内輪のパーティーに呼ばれたら始まりの時間より30分ほど遅れて行くのがマナーだったのです。

それは、相手が急いで用意をしなくても済むようにという心遣いでもあり、1時間くらい遅れて行く人も少なくないのだとか。

つまりS氏は遅れてしまったのではなく、マナーとしてあえて遅れて来たのでした。約束の時間を守るのが当たり前だという日本と、遅れて行くのが当たり前だというブラジル。

後日、その事実を知ったA氏は「当たり前」が違う同士でお互いを非常識だと非難するのは、それこそ非常識というものだったと深く反省したそうです。

国が違えば常識も違う。

国が同じでも人の数だけ常識がある。

分かっているつもりでも、つい自分の常識が万国共通だと思ってしまうことがあります。時に常識を疑うことも必要だろう。

これがA氏にとっての商売の新常識となったようです。