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間違いに注意~「おっしゃられる」「ご覧になられる」
2018-08-20
気を付けているつもりでも、うっかり口にしたり書いたりしているのが二重敬語です。
例えば「山田部長が会議は15日でよいとおっしゃられていました」という一文。
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。
その過去形は「おっしゃった」です。
この場合は「おっしゃっていました」とすればよいところを、尊敬の「~られる」を付け加えてしまっています。
このようにすでに敬語に変換されている言葉に、さらに尊敬の「~られる」を付けると二重敬語になってしまいます。
上記の一文は「山田部長が会議は15日でよいとおっしゃっていました」とするのが適切です。
「おっしゃられる」のほかに「いらっしゃられる」も同様の間違いです。
「いる」や「来る」の尊敬語として「いらっしゃる」を使いますが、それに尊敬の「~られる」を付け加える必要はありません。
過去形にする場合も「部長は会議室にいらっしゃいました」「昨日、社長が本社へいらっしゃいました」のように「いらっしゃった」や「いらっしゃいました」とするのが適切です。
「山田部長は事前に先方の資料をご覧になられていました」という一文も二重敬語になっています。「見る」の尊敬語は「ご覧になる」。
その過去形は「ご覧になっていた」ですが、上記の文ではさらに尊敬の「~られる」を付け加えて「ご覧になられていた」となっています。
余計な敬語は除き「山田部長は事前に先方の資料をご覧になっていました」とするのが適切です。
過去形の文を敬語に変換する際、本来は不要な尊敬語を付け加えて二重敬語にしてしまう傾向があるので注意が必要です。
「資料を見ますか?」の尊敬語は「資料をご覧になりますか?」。
過去形の「資料を見ましたか?」の尊敬語は「資料をご覧になりましたか?」です。
尊敬の「~られる」を付けると、なんとなく敬語として収まりがよく感じられますが、敬語を幾つも重ねれば丁寧になるというわけではありません。
むしろ敬語を過剰に使うほど、相手に対して失礼な印象を与え、逆効果なこともあるので気を付けましょう。