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給与所得控除等の改正

2018-08-06

◆ 近年少なくなり続けている控除

給与所得控除とは、支払われた給与等の収入金額から、勤務に伴う必要経費を概算して一定計算額で控除が受けられるものです。

簡単にいうと「サラリーマンの経費を想定して収入金額から引いてくれる」制度です。

近年は改正が相次ぎ、次第に給与所得控除額の上限が下がってきています。

平成24 年分以前の給与所得控除は、収入1,000 万円超の場合で収入金額×5%+170万円(つまり上限はありませんでした)、平成25 年から平成27 年分は1,500 万円超の場合で控除額の上限が245 万円、平成28 年は1,200 万円超の場合で控除額の上限が230 万円、平成29 年以降は1,000 万円超の場合で控除額の上限が220 万円となっていました。

◆ 平成30 年税制改正でさらに低下

平成30 年税制改正で、平成32 年分所得税から給与所得控除額の上限は年収850 万円超の場合で195 万円となります。

ただし、今回の改正については、22 歳以下の扶養親族のいる「子育て世帯」や特別障害者がいる「介護世帯」については、「所得金額調整控除」が組み込まれ、基礎控除の引上げと併せて、現行制度との比較で、負担増減は無いように、配慮がなされています。

◆ 公的年金等控除も改正

公的年金等控除も改正が行われ、平成32年分所得税から、控除額を一律10 万円引き下げ、公的年金等収入1,000 万円を超える場合の控除額に195 万5,000 円の上限を設定、年金以外の高額所得がある場合の控除額の引下げが行われます。

なお、給与と年金の両方がある人の場合は、合計20 万円の控除縮減にならないように、給与所得で調整されます。

◆ 場合分けで複雑になった?

給与収入関連の税制周辺には「但し書き」が乱発されているように思えます。

サラリーマンが自分の税額を簡単に計算できる時代ではなくなったようです。