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働き方改革関連法の成立

2018-08-25

◆ 迫られる残業削減・生産性の向上

政府が今国会の最重要法案としていた働き方改革関連法が6 月29 日に成立、2019年4 月から順次施行されます。

無駄な残業を減らし、時間ではなく成果を評価する方向に舵を切ることになります。

単純な作業は機械やIT に任せ、効率化を進め、不必要な残業は減らし、生産性向上を目指すようになるでしょう。

というのも残業に上限時間規制が課せられたからです。

業務の見直しや人の増員等の対応に迫られるかもしれません。

◆ 適用される大きな柱は3 つ

① 働き方に最も大きな影響を与えるのは日本の労働法制で初めて導入される残業時間の上限規制です。

労働基準法では労働時間は原則1 日8 時間・週40 時間となっていますが、労使協定を結べば残業時間を無制限に設定できるのが実態でした。

現在目安時間である「月45 時間、年間360 時間」が法制化され2~6か月平均で80 時間以内、単月で100 時間未満に抑え月45 時間を超してよいのは年6 回までです。(2020 年4 月)

② 脱時間給的働き方は年収 1075 万円以上の金融のディラーやコンサルタント、アナリスト等を対象に残業代や休日手当の支給対象外とします。(2019 年4 月)

③ 非正規労働者の処遇を改善する措置では正規と非正規の不合理な待遇差があることを禁じ、「同一労働、同一賃金」の実現を目指します。

勤続年数や能力、仕事が同じなら原則、同じ基本給にする等賃金体系の見直しが必要になるかもしれません。(2021 年4 月)

◆ その他の働き方改革関連法(2019 年4 月)

① 勤務間インターバルの努力義務…退社から出社までに一定時間の休息を確保

② 年次有給休暇の取得義務…年に5日は有給休暇を消化させなければならない

③ 労働時間の把握義務…事業所に働く人の労働時間を客観的に把握する必要

④ フレックスタイム制の拡大…労働時間を1か月から3か月単位で調整可能に

⑤ 中小企業の割増賃金は残業月60時間超えで割増率を50%以上に(2023年4月)