1. ホーム
  2. 岡山市の税理士のウェブログ
  3. 敬意を込めて付ける美化語「お」と「ご」のルール
岡山の税理士のウェブログ

敬意を込めて付ける美化語「お」と「ご」のルール

2019-01-04

クレジットカード会社からのお知らせで、次のようなメールを受け取りました。

「お電子マネー○○○へのクレジットカードチャージにおけるポイント付与に関するお知らせ」。

「お金」「お札」「おつり」など、金銭を示す言葉に美化語の「お」が付くケースはありますが、金銭に代わるものとして普及している「電子マネー」にまで「お」は必要でしょうか。

相手に関する美化語に尊敬の意を込めて付ける「お」「ご」があります。

例えば、相手の体や持ち物には「お顔」「お名前」「お住まい」など。

相手の動作・行動には「お買い上げ」「お帰り」「ご乗車」「ご予約」など。

相手に関わることとして「お徳用」「ご利息」「ご預金」などが挙げられます。

「お電子マネー」という表記も「お客さまの電子マネー」という意で、相手への敬意を表すために使われているのかもしれませんが、言葉としての違和感はぬぐえません。

「お」を付けずに「電子マネー○○○へのクレジットカードチャージにおけるポイント付与に関するお知らせ」としても、メールの受け取り手には失礼にならないでしょう。

「おビール」「おソース」「おトイレ」など、外来語に「お」を付けた言葉も見受けられますが、外来語にも「お」は付けないのが原則です。

お客さまのクレジットカードも「おクレジットカード」「おカード」とは言いませんね。

ちなみに「お」と「ご」の使い分けの基準は、訓読みの和語の前に付くのが「お」、音読みの漢語の前に付くのが「ご」とされます。

しかし、必ずしも和語には「お」、漢語には「ご」というルールどおりではない言葉もあります。

和語でも「ご」を付ける例としては「ご入り用」「ごゆっくり」「ごもっとも」など。

漢語でも「お」を付ける例としては「お礼状」「お加減」「お時間」などがあります。

「ご利息」は「お利息」という言い方もあり、どちらも付く場合があります。

一般的に「お」が付くとカジュアルな印象、「ご」が付くと改まった印象を与えますが、使い分けの境界線があいまいになっている言葉はたくさんあります。