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将棋界にプロ編入の道が開かれるまで

2019-02-25

【タイトル】:奇跡の六番勝負 サラリーマンがプロ棋士になった日

【著者】:古田靖

将棋の瀬川晶司・現五段が若い頃に断念したプロ棋士を再び目指し、戦後初のプロ編入試験に合格するまでの9カ月を描いたノンフィクションです。

瀬川氏の再挑戦を応援する仲間、将棋界の未来を憂う棋士、制度の変更に反対する棋士。

さまざまな人の思いが絡み合い、不可能と思われたプロ編入への扉が開きます。

一人ひとりの動きが大きな流れになっていく様子が巧みに描かれており、瀬川氏がプロになる結末は分かっているのにページをめくる手が止まりませんでした。

瀬川氏が棋士になれたのは、もちろん試験に合格するだけの実力があったからですが、たった一人で将棋連盟の門をたたいていたとしたらこれだけの短期間にプロ入りを実現するのは難しかったかもしれません。

多くの人がプロ編入の挑戦に協力したのは、瀬川氏が周りに「協力したい」と思わせる人物だったことが大きいと感じました。

瀬川氏が特例でプロになった後に編入試験は制度化されて今泉健司・現四段がその後に続きます。

大きな仕事は一人では成し遂げられないことを思い知らされました。