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「ある地点」まで辛抱すればよい

2019-05-02

小売業を営むある社長はとてもりりしい顔立ちですが、仲間から「あきたん」と呼ばれています。

これは飽きっぽい性格ゆえのあだ名だそうです。

あきたんは決して怠け者ではありません。

スタートダッシュは誰よりも熱心なのに努力が長続きしないタイプの社長です。

頑張ってもすぐに成果が出ないから飽きてしまうのだとか。

努力と成果は比例する。誰しもそう思っていませんか?

しかし、残念ながらそうではないようです。

学習効果は勉強した時間や努力の量に比例しないのです。

頑張った分だけすぐに結果が出ればやる気も起きますが、学び始めからしばらくは、やってもやっても手応えのない地べたをはうような退屈な時間が続きます。

ですから、あきたんのように初期段階で勉強や努力をやめてしまう人が多いのでしょう。

ところが、ある地点に来ると、それまでの学習成果が一気に加速して、あるとき突然ブレイクスルーが起こります。

ここからは目に見えて成果を感じられるようになり、コツコツと積み重ねてきた努力が実力となって発揮されていくでしょう。

こうした一連の流れを学習の成長曲線といいます。『論語』の中で孔子は「苗にして秀でざる者あり。秀でて実らざる者あり」と述べました。

学問の修得や徳の修養を稲穂の成育にたとえ「苗のままで穂を出さないものもある。

せっかく穂を出しても実をつけないものもある。

それを分けるのは努力と精進である」という孔子一流の比喩です。人の成長過程は色々で、若いうちに頭角を現して成功する人もいれば、頭角を現しただけであとが続かない人もいます。

また若い頃は芽が出なくても中年になって花を咲かせる人もいます。

しかし、どんなに美しい花を咲かせても、花のまま枯れて実にならない人もいます。

孔子は、実にならないからダメだと言っているのではありません。

人間いつになっても努力と精進が大切だと説いているのです。

成長曲線の「ある地点」が来れば、地べたをはうような時間は終わりを告げ、これまでの努力も商売もブレイクスルーするでしょう。

「ある地点」まで辛抱すれば努力は必ず報われるものです。