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自身の自閉症を語り、詩を紡ぐ新たな才能に出会った

2019-04-28

【タイトル】:跳びはねる思考~会話のできない自閉症の僕が考えていること

【著者】:東田直樹

先天的な脳機能障害である自閉症の青年が、世界が自分の目にどのように映っているかをエッセイにつづりました。

著者は人と会話はできませんが、文字盤で意思を伝え、執筆にはパソコンを使っているそうです。

本書では自身の自閉症について語り、自然の中で感じる喜びを表現し、人間や社会について鋭い洞察を披露しています。

文章は知的かつ詩的で、著者の感性豊かな内面が表れています。

「その人にしかわからない世界がある」ことを伝えたかったという著者の目的は見事に果たされました。

「いつもの夏と違うことが起こらないように、僕は四六時中見張っておかなければなりません」。

「(反省という)この戻らない時間の処理というものが、人生に対する向き合い方になるのではないでしょうか」。

本書は他人に理解されにくい自閉症について本人が語る稀有な本であり、静かな明るさをたたえた、みずみずしい詩歌でもあります。

本書を読んで新しい才能に出会えた喜びを感じました。