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豪連邦裁判所:ワーホリ税は「国籍差別」
2019-12-19
ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在する外国人から所得税を徴収する同国の税法は無効だとする判決を、豪連邦裁判所が下しました。
同税が国籍による差別的扱いだと認定されたことで、今後、日本人を含むワーホリ滞在者は税金の払い戻しを受けられる可能性があります。
オーストラリアでは、年収1万8200豪ドル(約135万円)以下の人には原則として所得税がかかりません。
しかし2017年に導入されたワーホリ税によって、ワーホリ用のビザで滞在する外国人に限っては、年収が基準以下でも15%の所得税が課されています。
こうした扱いに対して連邦裁は、同じ仕事をしてもオーストラリア人だけ税負担が違うのは「国籍によって差別する不法行為だ」と認定。
また日本や英米などと結んでいる課税条約に違反しているとも指摘しました。
ワーキングホリデーは18歳~30歳の若者が、働いたり学んだりしながら一定期間外国に滞在できる制度。
日本からオーストラリアに行く場合、通常のビザは原則1年ですが、農場で一定期間働くことなどを条件に最長3年まで滞在できます。
同国は約14万人がワーホリ用ビザで滞在する「人気国」ですが、同税を導入する案が浮上した15年は32.5%の税率も検討されていたことから、ワーキングホリデー志望者が同国を敬遠しニュージーランドやカナダに労働力が流出しているとの批判もあったそうです。
豪税務当局は控訴するか否かを明らかにしていませんが、判決が確定すれば、数億ドルが還付される可能性もあります。
<情報提供:エヌピー通信社>