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週40時間を超えても残業代をつけなくてよい業種がある

2020-02-19

◆ 特例措置対象事業場の「特例」とは

労働基準法では休憩時間を除き1週40時間の法定労働時間が定められていますが、事業場の規模や業種で週44時間まで残業時間とされない事業があります。

特例措置対象事業場といい、1週間に44時間以内であれば時間外割増賃金はありません。

1週44時間を超えたときは残業代の対象ですが、1か月単位の変形労働時間制を導入しておくと1か月の中で繁忙期と閑散期がある場合には、平均して一週間当たりの労働時間を44時間以内にすればよいことになります。

変形制を導入しないときは例えば週6日の勤務のうち月から金までを1日8時間、土曜日は4時間と設定する場合、月から土まで1日当たりの労働時間を7時間20分とする場合などがあります。

◆ 特例措置対象事業場はどんな業種が対象?

①常時使用する労働者が10人未満の事業場(10人未満とは会社全体で100人いたとしても1つの事業所や支店の従業員が10人未満であれば対象になります)

②常用使用するとは正社員のみならずアルバイト、パートでも定期的に勤務をしていれば常時使用する従業員に該当します。

③対象となるのは以下の業種です。

・商業(卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、駐車場業、不動産管理業、出版業〈印刷部門を除く〉その他の商業)

・映画・演劇業(映画の映写〈映画の製作の事業を除く〉、演劇、その他興行の事業)

・保健衛生業(病院、診療所、保育園、老人ホーム等の社会福祉施設、浴場業〈個室付き浴場業を除く〉、その他の保健衛生業)

・接客娯楽業(旅館業、飲食店、ゴルフ場、娯楽場、公園、遊園地、その他の接客娯楽業)

◆ 4時間の差を見てみるとこれだけの差!?

1週当たりは一般的な法定労働時間40時間との差は4時間ですが1年で208時間の差が出ます。

特例は1事業所9人までなので1事業所、最高46,852円×9人=421,668円の差が出てきます。

10人未満事業所を多く抱える企業では大きな差額になるでしょう。

特例対象事業場として認められる要件を満たしていても週40時間を適用している企業は8割にものぼります。

知らない場合も多いでしょうが、人手不足時代の昨今、他の企業に見劣りしないためにも40時間設定で運営を続けていいかもしれません。