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老齢厚生年金・老齢基礎年金の繰上げ・繰下げ

2021-04-15

◆ 老齢厚生・基礎年金の繰上げ・繰下げとは

老齢厚生年金・老齢基礎(国民)年金の繰上げと繰下げの制度をご存じでしょうか?

老齢厚生年金と老齢基礎年金の受給開始年齢は、共に原則65 歳となっていますが、65 歳になる前に受給開始する場合を繰上げ、66 歳以降に受給開始する場合を繰下げといいます。

なお、65 歳の1年間は繰下げできません。

◆ 繰上げ・繰下げのメリット・デメリット

老齢厚生年金・基礎年金を繰上げすると、月0.5%の割合で受給額が減額されます。

例えば、繰上げの上限である60 歳到達時から受給する場合、原則の65 歳から受給開始と比べて30%減額され、70%の受給額となります。

繰上げすると、老齢厚生年金と老齢基礎年金は同時に繰上げとなり、一方のみを繰上げすることはできません。

また、いったん繰上げを選択すると、生涯変更できません。

逆に繰下げの場合、月0.7%の割合で受給額が増額されます。

70 歳まで5年繰り下げた場合42%の増額となり、65 歳からの受給開始に比べて4割以上も受給額が増えます。

しかし、繰下げも注意が必要です。

例えば、老齢厚生年金の繰下げ期間中、加給年金は支給されません。

老齢基礎年金の繰下げ期間中、振替加算は支給されません。

さらに、65 歳以上で在職老齢年金の対象となる場合、支給停止された部分は繰下げによる増額の対象になりません。

なお、老齢厚生年金と老齢基礎年金は別々に繰下げを選択でき、老齢厚生年金または老齢基礎年金のみの繰下げが可能です。

◆ 今後の繰上げ・繰下げに関する制度改正

年金制度改正法(令和2年法律40 号)により、令和4年4月以降、受給開始年齢の選択肢が拡大され、受給開始年齢の上限が70 歳から75 歳に引き上げられます。

75 歳まで繰り下げた場合、最大で年額84%の増額となります。

一方、繰り上げる場合の減額率は月0.4%に変更されますので、60 歳到達から受給する場合、従来の最大30%減額が24%減額へ減額幅が縮小します。