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相続財産から控除できる債務や葬式費用とは

2022-05-10

相続税を計算する場合、被相続人が残した借入金や税金などの債務を遺産総額(相続時精算課税の適用を受ける贈与財産がある場合には、その価額を加算)から差し引くことができます。

債務とは、相続開始日時点(原則、被相続人が死亡したとき)に現存するもので、債務であることが確定しているものをいい、債務控除には債務や葬式費用があります。

債務のうち税金については、被相続人に課される税金で、被相続人の死亡後相続人などが納付又は徴収されることになった所得税などの税金については、被相続人が死亡したときに確定していないものであっても、債務として遺産総額から差し引くことができますが、相続人などの責任に基づくものや、徴収されることになった延滞税や加算税などは遺産総額から差し引くことはできません。

葬式費用は、被相続人が亡くなった時点で発生していませんが、相続が発生すると通常発生する必要であり、被相続人の財産から支払われるのが一般的なため、債務と同様に相続税を計算するときは遺産総額から差し引くことができます。

ただし、被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません。

なお、債務などを差し引くことのできる人は、

①相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある人(一時居住者で、かつ、被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く)

②相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がない一定の条件に該当する人で、その債務などを負担することになる相続人や包括受遺者(相続時精算課税の適用を受ける贈与により財産をもらった人を含む)

をいいます。

上記②は、(イ)日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがある人、(ロ)日本国籍を有しており、かつ、相続開始前10年以内に日本国内に住所を有していたことがない人(被相続人が、一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く)、(ハ)日本国籍を有していない人(被相続人が、一時居住被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人である場合を除く)のいずれかに該当する人をいいますので、あわせてご確認ください。

(注意)

上記の記載内容は、令和4年3月7日現在の情報に基づいて記載しております。

今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。