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特定被災事業用資産の損失に係る繰越控除期間を延長!

2023-09-14

これまでも事業所得者等の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合、その被災に伴い損失や費用が生じたときには、その損失や費用の額は損金の額に算入されましたが、2023年度税制改正において、事業所得者等の有する棚卸資産や事業用資産等につき、特定非常災害の指定を受けた災害により生じた損失(以下:特定被災事業用資産の損失)については、新たに一定のものの繰越期間が5年(これまで3年)に延長されました。

具体的には、下記をいいます。

①青色申告者でその有する事業用資産等(土地等を除く)のうちに特定被災事業用資産の損失額の占める割合が10%以上のものは、被災事業用資産の損失による純損失を含むその年分の純損失の総額

②青色申告者以外の者は、同じく特定被災事業用資産の損失額の占める割合が10%以上のものは、その年に発生した被災事業用資産の損失による純損失と変動所得に係る損失による純損失との合計額

一方で、個人の有する住宅や家財等につき、特定非常災害の指定を受けた災害により生じた損失については、雑損控除を適用してその年分の総所得金額等から控除しても控除しきれない損失額についての繰越期間が5年(これまで3年)に延長されました。

なお、上記の特定非常災害とは、内閣府によりますと、「著しく異常かつ激甚な非常災害」と法律で定められており、具体的には、

①死者、行方不明者、負傷者、避難者等の多数発生

②住宅の倒壊等の多数発生

③交通や水道、電気、ガスなどの広範囲にわたる途絶

④地域全体の日常業務や業務環境の破壊

の4つの要件に基づき、総合的に判断した上で、指定されます。

そして、指定されますと、例えば運転免許証の更新時期が過ぎても有効期間を延長されたり、債務超過に陥った場合、一定期間、破産手続きが開始されずに済んだり、家族が亡くなった場合、財産を相続するかどうかを決める期間を延長されるなど、被災者の生活再建のため、行政上の特例措置が適用されます。

(注意)

上記の記載内容は、令和5年7月3日現在の情報に基づいて記載しております。

今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。